【背景】

村西とおるさんのことを知ったのは昨年かおととしのことであった。

ネットフリックスの『全裸監督』を観て強く感銘を受けた。

あれほど破壊力のある日本の作品をとても珍しく思った。

ドラマを通じて、村西とおるという人間に興味がわき、彼のウィキペディアやHPを拝見したのを覚えている。

その後は特に接点もなく、いつもの生活を送っていた。

 

 【きっかけ】

今年に入り、『全裸監督2』が配信されているという話を聞いていたが、忙しいのでまだ鑑賞していなかった。

そんな中、彼を取材するので通訳を引き受けてくれないかとの相談が舞い込んできた。

スケジュール的には厳しかったけど、どうしても気になる存在だったので仕事を引き受けることにした。

 

【通訳準備】

準備段階では、既に彼のドラマを観ていたことや、興味本位で彼の情報をネットで拝読していたのがとても役に立った。

AV関係の用語と彼の略歴を日中2か国語で一通り網羅して、最新のドラマも取材開始直前に見始めたところで、会議に臨んだ。

 

【取材の通訳】ーーー温かいお人柄

オンラインでZoomを使ったリモート取材がスタートし、いよいよご本人と対面した。

簡単な自己紹介のあと、すぐに別回線で繋いでいる台湾向けに中国語の同時通訳を開始しようとしたところ、村西さんがまだ「孫さん」と話しかけてくれているではありませんか。想定外のことでしたが、彼と片言でも会話できたのがとてもうれしかったです。女性をほめるのが本当に上手な方で、それもすーっと入ってくるような、励みになる温かいお声掛けをいただきました。取材を通じて、彼の「相手の立場に立って、相手を喜ばせる」理念を肌で感じることができました。作品作りも、経営も、また一個人としてもこの理念を貫いておられました。最新作の『人生、死んでしまいたいときには下を見ろ、俺がいる。』にはコロナやビジネス、また人生で苦戦している人への温かいメッセージが込められているそうで、ぜひを読んでみたいと思いました。

 

【勉強不足】ーーーエピクロス

取材では夢を追うことについての議論が繰り広げられました。原稿のないフリートークなので自分の知識の蓄えが試された。

尊敬する哲学者を話される場面では、2人の偉人が登場しました。

孔子は問題なくカバーできたが、その教えである「己の欲せざることは人に施すことなかれ」を噛み砕いた中国語にしか訳せず残念。「己所不欲,勿施于人」とは瞬時に訳せなかった :(

また、ギリシアの哲学者エピクロスの死に対する価値観は訳せたが、彼の中国名「伊壁鸠鲁」を初回で訳出できず、2回目で何とかフォロー。。。

 

【感想】

全般的にはAVの内容や人生哲学を分かりやすく通訳したつもりですが、東洋哲学や西洋哲学の勉強をもっと深める必要があると実感しました。

もちろん日頃からカバーしているつもりでしたが、もっと精通する必要がある。。。

村西とおるさんに関しては今回の仕事を通じて、さらにファンにさせられました。

親しみやすいお人柄や旺盛なサービス精神、幼少期の苦労話やエネルギッシュな生き方を知るのに、彼に関する書籍や作品をもっと拝見してみたいと思いました。

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